私の敵はチビ会長
動揺して顔を逸らしたあたしに会長が不思議そうに首を傾げる
そして、ニヤリと口元を緩めた会長はあたしを伺うように覗く
『な、なに…?』
モドモドするあたしに会長は更に楽しそうな顔をする
『別に?志穂の顔が赤いなぁって思っただけ』
『あ、赤くない…し。』
『ふぅ~ん…俺、てっきり王様ゲームに興奮しちゃったのかと思った』
わざと耳元でそう囁く
会長はやっぱ意地悪だ…。
抵抗したいけど、うまく言葉が見つからない
ぐっ…
と唇を噛み締めて会長に顔を見られないように俯く
会長の匂いが鼻をつついて、嫌がおうでも体が反応する
…王様ゲームにもちょっとドキドキするけど
会長とこんなふうに一つ屋根の下っていうほうが緊張するわ!!
しかも、隣で寝るんだよ!!?
会長の無防備な寝顔とか
会長の寝起きとか
…
いやぁーーッ!!!
でも…
困るけど、嬉しくてすごくテンションが上がってく
まぁ
恥ずかしいけど…。
会長は恥ずかしがるあたしが面白いのかずっと覗き込んでる
向きを何度も変えながらあたしをからかって楽しいみたい
でも会長が笑ってくれてるからあたしも嬉しい
優さんも気を使って黙っててくれてたのに、
全く空気の読めない人が近づいてきた
『志穂ちゃん!!王様ゲーム始めるから千架の布団集合〜』
またまた郁さんに邪魔された
あたしは焦って会長をどかし笑顔を向ける
こんなとこ見られたらまた変な話になっちゃう
…会長の誤解もとかないと
欄さんのことを思い出してまた気が重くなる