私の敵はチビ会長






泣き続けてどれくらいたったのかな



薄い布団から聞こえてくる声は口々に『寝るか』と言ってる


もう12時はとっくに過ぎてて外は暗く静けさが支配していた







布団のこすれ合う音が聞こえて皆ぞろぞろと布団には入ってく


それと同時に借り用の電気がけされていく




郁さんと結局布団を交換したらしい輝が隣の布団にモゾモゾと入ってきた



輝はゆっくりとこっちに近づいてきて


すぐ側までくると布団に隠れてるあたしを見つめて優しい声で言った









『おやすみ、志穂』



あたしが寝てると思ってるのかそれ以上はなにも言わない


またモゾモゾと元の場所まで戻っていく



あたしも寝たふりをして息を殺してると、輝は程なく可愛い寝息をたて始めた





…輝、疲れてたのかな


なのにあたしのことまで心配かけさせたんだ




…ごめんね


心の中でそうつぶやきうっすら見える可愛い寝顔の輝を見つめる







他の皆のたくさんの寝息も聞こえてきて、

とくに欄さんと郁さんのいびきがすごい…。










…皆寝たよね



そう確信して安心したあたしは布団からゆっくり顔だけ出す


顔をあげるとそこには葉月先輩の足があって急なことにビビるあたし


最初はなにか奇妙な生物に見えたからよりいっそうびっくりした




な、なに!?

でも、よく見ると動く足で



『…なんだ、葉月先輩か…』



ホッとした衝動で小さな声でつぶやく

少し邪魔だったから、手で退かそうとしたとき









『…誰か起きてんの?』




ッ!!?
































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