私の敵はチビ会長
低い、人を確認するかのような声がした
ガタッ
椅子から立つような音がして、誰か一人だけだけど起きてたらしい
ビクッと身体が震える
『誰か起きてんのか?』
またしても声がして、その人はこっちに近づいてくる
コツン
静粛な空間に淋しげに響く足音
咄嗟にあたしは輝とは逆の布団を見る
案の定誰もいなくて…
暗がりの中小さくなりながら目を凝らすとやっぱり会長で
なにかを飲んでたらしく、テーブルに飲み物が置いてあった
…やば
会長がこっちくる!!
さっきから寝たふりしてたのに起きてるってばれたら絶対理由聞かれる…
ドキ
会長が近づくにつれ早くなる鼓動
こんなことでも反応するあたしは、
本当におかしい
そうこうしてるうちに会長があたしの布団の真横まで来た
自分の布団に腰を降ろすと、あたしを疑うような目で見てる
あたしはというと
『…スゥ…スゥ…』
寝たふりでごまかす
…
って!!
なにやってんの!?
こんなんバレるに決まってるよ!!
あたしはいま輝みたいに顔がでているから、寝顔とかが会長からまる見え
それに目をつぶってなきゃいけいからなにが起こってるのか分からない
『…志穂、起きてんの?』
あたしが寝てるのか確認にんしようと顔を覗いてくる
甘い匂いと整った息遣いをリアルに感じてしまう
赤くなる顔を必死に抑えようとするけど
やっぱり無理