私の敵はチビ会長
聞きたくて聞きたくてどうしようもなかったけど
寝てるということと、絶えず頭の上にのっている手にそれは止められていた
『…俺さ、お前に話したいことがあるんだけどさ。それ言ったら…どうせお前は離れてくんだろ?』
胸がギュッと締め付けられるような切なく、苦しい声。
言いたいこと…?
離れる…??
会長…
あたしのことでなんか悩んでるの?
息を殺して堪えるあたしに会長はさらに追いうちをかけてきた
またあの苦しそうな声
胸がズキンと痛む
『…27日…会いたい…時間は…5時ぐらいでいいや…』
会長…?
なに言ってるの??
『…場所は学校の屋上…定番だろ?…待ってるから…』
あたし、寝てるんだよ?
そんな約束
できるわけないじゃん
そうは分かっていても心は勝手になにを言われるかと期待してしまう
別にいいことともかぎらないのに…
でも、もし悪いことでも
それがチャンスと思ったんだ
話を聞いてて、複雑な感情のあたしをよそに
会長は撫でる手すら止めなくて…
『…って、なに言ってんだ俺。…寝よ』
自分自身をあざけ笑うと頭の体温も消え、
会長はあたしとは反対方向に寝返りをうった
それでもまだあたしは目を開けることができなくて…
閉じられた視界の中でさっきの出来事を必死に考える
…27日
この日、龍而との約束がある日なのに…
そっちの方が先で龍而も楽しみにしてくれてるのに…
なんで思いが揺れてるんだろ