私の敵はチビ会長




しばらくの沈黙を沙織が懸命に掻き消そうとする



でも、この空気は消えなくて…



あたしは俯きたい気持ちを必死に押さえて輝を見つめる






『自分が変わらなきゃ、志穂たちはそのままだよ。』



ドクン




冷たく言い放たれた言葉は明るい輝の言葉じゃないみたいで


ひどく胸が痛んだ





あたしと会長のことよく知らない輝でもそれだけのことを感じ取った



なのに、あたしは



なにも気づけない






あたしの混乱する目を見て、ついに沙織が割って入ってくる




『志穂、時間はいいのぉ??さっきからけっこうたってるよ??』



引き攣った苦笑いの沙織にようやく時間が20分も過ぎていることに気づく




あ…



やば、遅れる!!





あたしはすぐさま玄関を飛び出して、待ち合わせ場所に急ぐ







セットした髪がぐちゃぐちゃになるのも構わず走る



痛いくらいにあたしを突き抜ける風はあたしのゆくてを邪魔してるようで…




行っちゃだめ!って言ってるように聞こえる





あたしはその声と輝の言葉を振り払うように首を振る


途中何度も人にぶつかりそうになったけど構わない














『…ハァ…ハァ』




待ち合わせ場所、ミドリ広場の噴水前…



そのベンチに龍而はいた





そわそわしながら何度も時計を確認するその姿をあたしはやっと見つけれた




辺りをキョロキョロ見渡して必死にあたしを探してる



その姿に吸い込まれるまま息も整えず駆け寄っていく



































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