私の敵はチビ会長









『…ハァ…龍而、遅れてごめんさない!!』

『あ…来てくれた。おはよ、志穂』




遅刻してきたのに龍而はあまりにも嬉しそうに笑うもんだから思わず胸が締め付けられた



龍而の優しさがすごく心に染みて、涙目になっていく





龍而は立ち上がってあたしに笑いかけると


そっとあたしの手に触れた





ビクッ!!



思わず手をはらう




その瞬間、龍而の目が見開く


でも直ぐさまいつもの余裕の笑みを浮かべた




突然のことに戸惑うあたしだったけど、体はなにがあったか分かっていて



あたしは触れて熱くなってる手を胸のまえでギュと握る







『…ごめん。…でも、デートだろ?』




意地悪く口角をあげ微笑むと固く結んだあたしの手を優しく掴む



抵抗しないあたしに龍而は甘ったるい笑顔をみせた



















なんか、カレカノみたい!!///



あたしは初めての感覚に頭がショートしそうで


恥ずかしいがりながらも必死に大きい歩幅の龍而に付いていく






は、初めてだ…こんなの


手を繋ぐのだって、

男の子と一緒にこんなに近づいて歩くなんて…







繋がれた手のせいで近づかないといけないからすごく近い距離


拳一個分しか開いていないから時々肩と肩がぶつかる



と、言っても龍而はあたしよりすごく背が高いからぶつかるのは腕




…会長とは大違いだ…




その高い背を見上げると龍而と目が合って、


あたしが見ていたことにニヤリと笑みを零す







…なんか、すっかりキャラ変わっちゃった




あたしは目を背けて口を尖らせる


魅力的なその笑顔が悔しくて、繋がれた手を強く握った



























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