私の敵はチビ会長
店内に入ると見慣れた風景が広かっていく
あたしは辺りを物珍しそうに見渡してやっとここがどこか気づいた
…ここ
【dbyy】じゃない!?
広すぎるロビーに立っているあたし達のもとにやって来る、
にこやかに微笑んだ康晴さん
そして青い顔をしているあたしを見たとたん『あ、』と声をだす
あたし達を交互に見ると、最後に繋がれた両手を見つめる
やば!!
誤解されちゃう!!
離そうとしても離れなくて焦るあたしに康晴さんがまた誤解をしたらしい
『…志穂さんじゃありませんか、彼氏でございますか♪』
『ち、違っ』
『そうですけど…知り合いなんですか?』
『はい。…』
肯定だけして、康晴さんの瞳があたしをチラッと見つめた
これ以上話していいのか困っているらしい
もちろん、あたしは龍而に気づかれないところで精一杯noと答える
だって…
学校はアルバイトOKだけど、やっぱり恥ずかし過ぎる
バイトのときのこととか聞かれたら康晴さん絶対面白がって話すに決まってるから
…康晴さん、言っちゃだめ!!
必死の態度が伝わったのかあたしを見つめて康晴さんが小さく頷く
『…知り合いのそのまた知り合いでございます♪…どうぞ、こちらへ♪』
ありがとうございます!!
心の底から感謝してあたし達はオシャレな個室に案内される
ここは、あたしがバイトしてる時にはカップルしか案内しないはず…
てことは…
康晴さん完璧勘違いしてるし…
手を離して向かい合わせに座ると、本当に恋人になったような気分になっていく
大きな窓からはたくさんの人が行き交い、慌ただしい光景
少し俯き気味に龍而を見ると、龍而は楽しそうにメニューを見てるところで、
料理を見て瞳を輝かせてる龍而は子供そのもの