私の敵はチビ会長





あたしは答えを求めるように俯く会長を見る





でも…


最初から答えなんて分かってる




会長、優しいもん




静かに啜り泣くあたしに顔をあげた会長が苦々しい顔をした




会長が悪いんじゃないのに…


勝手に告白した、あたしのせい



彼女がいるかもしれないのに告白するなんてほんと馬鹿だよね





笑ってよ。会長…


いつもみたいに『はぁ?告白?似合わねぇ』とか言って馬鹿にしてよ





じゃなきゃ、あたし…


笑えないよ




いつもの笑顔のかけらもない不器用な笑顔を出す会長に胸が締め付けられる



とっさに顔を逸らして、逃げた




会長のこんな顔…


みたくなかったのに…




明るく弾けてくんなきゃ…

あたしの好きな会長じゃない…。





会長はあたしが顔を逸らしたことでさらに怪訝な顔をすると、


頬に涙筋があるあたしのほうに手を伸ばす




そしてダランと力ない軽くまるまったあたしの手を自分の方へ引き寄せると、


包むようにして優しく握った






『か……いちょ…』



はっきり言ってなにが起こってるか分からないあたしはただたじろぐばかり…




さっきまであんなに流してたのに、

その涙は嘘のように止まり変わりに真っ赤になっていく





…会長に…手を握られてる…



あたしは引き寄せられた時、

少し汗ばんで心配で心配でたまらなかったけど




太陽のような笑顔で微笑んでくれたのを見て、


それだけで十分嬉しかったけど、真っ直ぐにあたしだけを見てくれる会長に胸が高鳴った















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