Sleeping dream
「アハハ。
 冗談キツいよ!!
 いくら私でも、さすがにそこま ではしないよ。」


私は笑いなから、髪を耳に掛けた。


頭の中が混乱していて、その場のがれすることだけで精一杯だった。


彼はそんな私を見て、悲しそうな顔をしていた。


「見たんだ。
 愛が知らない親父と腕組んでホ テル入ってくの。
 最初、見間違いだと思ったよ。
 いつもより何か大人っぽかった し。
 だから、別の日に同じ場所に行 ったんだ。
 もし、今日、愛を見なかったら 、見間違いだったんだって。
 愛が来ないこと心の中でスゲー 祈った。
 でも……――」


彼は下を向いた。

彼の体は震えていた。



――私、裏切ったんだ



「……愛は来た。
 また別の親父と抱き合ってた。」



――私、ユウトを傷つけたんだ



彼の足元近くのグレーのタイルの上に水玉模様ができた。


私にはただその水玉模様を見つめることしかできなかった。





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