Sleeping dream

「最初、愛がなんでそんなことす　るのか、わかんなかった。
　でも、愛のこと抱いて、感じた　んだ。」


彼の視線は再び上がり、私を見つめる。


「愛は寂しそうだった。」


彼の目から零れる涙を拭うこともできない。


冗談で笑い飛ばすこともできない。


「愛は愛されることを知らないよ　うな気がした。
　だから、思ったんだ。
　オレ、愛のこと愛したいって。」


彼の力強い言葉は私の心臓をえぐる。



――やめて……



「オレ、親父の代わりでも何でも　なるよ。
　抱いてほしいって、言うなら、　優しく抱きしめる。
　悲しくなったら、オレが冗談言　って、笑わす。」


――やめて……



「だから、援交やめて。オレんと　こ来いよ。」



――私に優しくしないで……



彼は私の体を引き寄せようとした。


私の体は反射的に一歩後ろへ下がった。


「冗談よしてよぉ！！
　びっくりするじゃん！！」


「愛……」


「時間だから、もう行くね。
　ありがとう、ユウト。」




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