Sleeping dream
冬休みの間もユウから何度か電話がかかってきた。


「愛!!
 元気だったぁ?」


「……うん。」


「どっか行かない?
 この間言ってた遊園地行こうぜ!」


「……ごめん。
 最近、忙しくて。」


「そっかぁ。」


こんな電話が幾度か繰り返された。


私が誘いを断っても断っても彼は私を誘う。


その度に私の胸は苦しくなる。


でも、しばらくすると、

“どっか行こっ!”は“行けないよね?”に変わり、新学期が始まる頃には携帯は鳴らなくなった。



私が貴方の隣にいることは貴方を傷つけることになる。



ユウ、私さぁ、

あんたといる時、ちゃんと笑えてたよ。

楽しくて、嬉しくて。

こういう感覚、今まで味わったことないから言葉にするのは難しいな。


ありがとう。


バイバイ。





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