Sleeping dream
胸が締め付けられるような思いだった。


――どうして、聞くの?


私は今の気持ちをごまかすように水を少し飲んだ。


コトンとテーブルの上にコップを置くと、私は俯いたまま話した。


「最近、模試が多くて、忙しいん だよね。」


今、私はどんな顔をしているだろう。


私にはユウトがいるから、“彼氏ができたの”と言わなきゃいけないのに……


――何を言ってるんだろう

「そうだったんですね。
 よかったぁ。」


えっ……



ゆっくり彼女の顔を見ると、安心したような表情をしていた。


「何がよかったの?」


「愛さん、お兄ちゃんのこと、嫌 いになっちゃったのかなって思 ったから。」


彼女はさっきとは違う弾んだ声で私に話した。





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