Sleeping dream
「美央ちゃん、ありがとう。
 でも、実際は私、ユウの彼女じ ゃないから。
 それにユウには私より素敵な女 の子が似合うと思う。」


自分ではわかるくらい私の声は震えていた。



自惚れちゃダメ……


私にはユウトがいる。



「そんなことないです。
 お兄ちゃんには愛さんが必要な んです。」



――ヤメテ……



「お兄ちゃん、愛さんといる時、 心から笑ってました。」



――ヤメテ……



「お兄ちゃんには愛さんが必要な んです。
 だから……」



――キキタクナイ……


「お兄ちゃんのそばにいて下さい。」



彼女は柔らかく笑った。





でも、私の心は波に飲まれたくらいの衝撃だった。





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