Sleeping dream
――ジャージャー……


部屋中に響き渡るシャワーの音。



この音が私を不安にさせる。

待つのは嫌いじゃない。


でも、私は考えてしまう。

あの男は今日の私をかわいいと言ってくれるだろうか。

今日の私はあの男の一番の女でいるだろうか。



私はベッドに少しだけ座り、目を閉じていたまま動かない。


――ガチャッ


バスルームのドアの音が聞こえた。




私は次の瞬間、閉じていたい目を無理矢理開ける。そして、俯いていた体を少しだけ、起こして気持ちを高める。

どんなに不安でも、怖くても、これが私が私を保つ方法だから。



バスローブ姿の私は男を笑顔で迎える。

「宮本さん、遅ーい!
 待ちくたびれちゃった。
 焦らしすぎですよぉ。」




なんとかという会社の社長さんであるこの小太りの中年男 宮本さん。

私が登録している出会い系サイトで知り合った。

これを世間では援交とかいう。

知り合ってから約一ヶ月。週に何度か宮本さんからメールが来ると、私は男に抱かれに行く。





男は腰にバスタオルを巻き付けながら、私の方へ向かってくる。
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