Sleeping dream
「ちょっと、何するのよ!
 私の唯一の客だったのよ?」


「娼婦気取り?
 マジウケるんだけど!」

今度は腹を抱えて笑っている。

この男、どんだけ笑うのよ。


私は“付き合ってらんない。”と、一言返し、帰ろうとした。



「ダメだよ。
 健全な女子高生が援交なんかし ちゃ、愛ちゃん。」


ブーツの音が止む。

私は目を丸くして、彼を見る。


「あんた、何で私の名前知ってる のよ?」


彼は“覚えてないのぉ?ショックぅー!”と、言いながら、泣くフリをしている。



「だから、あんた、誰よ!?」


彼は笑うのを止め、真っ直ぐ私の目を見つめる。




なんて大きくて、澄んだ黒い瞳なの。


私は彼のブラックホールに吸い込まれそうだった。




その見つめ方、止めてよ……






心読まれちゃう……
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