Sleeping dream
「ユウだよ。小森ユウ。
同小だったじゃん。」
彼の大きな瞳が細くなる。
“あっ!”と叫んでしまった。周りの男女が振り返る。
彼は人差し指を唇に当てている。
「愛ちゃんの声、でかいよ。
やっと、思い出してくれた?」
確かに同じ小学校だった。
彼は男子からも女子からも人気があった。
明るくて、人懐っこくて、何でもできた。
でも、話したことなんて、ほとんどなかった。
ましてや、“愛ちゃん”なんて……
しかも、こんなとこで何やってんのよ。
彼は腕時計を見ると、ポケットからメモとペンを取り出し、何やら書いてる。
その姿はもう一人前の男だった。
「愛ちゃん、ごめんね。
もっと、話したいのはやまやま なんだけど、約束があるんだよ ね。
これ、オレの携帯の番号。近い うちにかけてよ。」
彼はメモを破り取り、私に渡した。
本当に書いてある。
“じゃあねー。”と、私に手を振り、ネオンの中に走って、消えてしまった。
夜なのに、ネオンが塗しすぎて、彼の黒色のダウンが逆に目立っていた。
同小だったじゃん。」
彼の大きな瞳が細くなる。
“あっ!”と叫んでしまった。周りの男女が振り返る。
彼は人差し指を唇に当てている。
「愛ちゃんの声、でかいよ。
やっと、思い出してくれた?」
確かに同じ小学校だった。
彼は男子からも女子からも人気があった。
明るくて、人懐っこくて、何でもできた。
でも、話したことなんて、ほとんどなかった。
ましてや、“愛ちゃん”なんて……
しかも、こんなとこで何やってんのよ。
彼は腕時計を見ると、ポケットからメモとペンを取り出し、何やら書いてる。
その姿はもう一人前の男だった。
「愛ちゃん、ごめんね。
もっと、話したいのはやまやま なんだけど、約束があるんだよ ね。
これ、オレの携帯の番号。近い うちにかけてよ。」
彼はメモを破り取り、私に渡した。
本当に書いてある。
“じゃあねー。”と、私に手を振り、ネオンの中に走って、消えてしまった。
夜なのに、ネオンが塗しすぎて、彼の黒色のダウンが逆に目立っていた。