Sleeping dream
私はばかだ。









ちゃっかり用意している。
髪も巻いて、顔も作って。









来るわけない。



――ピンポーン



嘘……

何で来るのよ。



そっと、玄関のドアを開ける。

ニコニコ顔の彼が立っていた。

「嫌って、言ってたじゃん。
 この行く気満々の格好は何かな ?」

彼は私のおでこにデコピンをしてきた。

「行くんなら、早く連れて来なさ いよ。」

彼は“はいはい”と、言い、私の手を引っ張った。

彼の手は暖かったけど、指先は冷たかった。






あーあ、あいつに負けてしまった。




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