Sleeping dream
「……」


「あっ、怒っちゃった?」

ユウはまるで私を覗き込むように言った。


「別に。
 で、どうしたの?」

必死にクールな自分を作っていた。





――お願いだから、
    あんまり私の心の中、
      覗かないで。――



「何じゃそりゃ。
 まぁいっか。
 悪かったなぁって、思ってさ。
 こっちから誘っといて、出てか すようなことしちゃって。
 ホントにごめん。」


「気にしなくていいから。
 どうせ、そのうち帰るつもりだ ったし。
 それにマフラーまで貸してもら っちゃって。」


「そっか。
 でも、もっと、喋りたかったな ぁ。
 せっかく盛り上がってたのに。」

正直、ドキッとした。


「愛、またどっか行こうね。
 いつ空いてる?」


「今週の土曜日とか…」

自分でも、何でこんな日を選んだのか分からない。

たまたま誕生日が今週の土曜日だったかもしれない。

でも……








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