Sleeping dream
五つ先の駅で電車から降りて、改札口へと歩いてた。

駅を出て、少し歩いたところに学校がある。


私は背中まで伸びたストレートの髪を靡かせながら、学校へ向かった。



冷たい風が吹く。


「寒いなぁ。」


小走りで校門をくぐり、校舎へと続く坂を登る。




この校舎のドアを開ければ、“いい子の愛ちゃん”の始まり。





ドアを目の前に来た。

ガラスにうっすら映る自分をじっと見つめる。

まるで、自分の存在を確かめるように。



目を閉じて、ゆっくりと深呼吸をした。


私が私でなくなる瞬間。

体は一緒だけど、中身は全く別人に作り上げた私。


ほら、始まる。



心の中で三秒数える。





いち、



に、



さん……





目を開いた。

今の私は“私”じゃない。




――ねぇ、

   愛ちゃん、

      貴女は誰?――




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