Sleeping dream
【私の誕生日】
――ピンポーン


チャイムが家中に響き渡る。


――ピンポン ピンポン ピンポーン


全く……


ドアの向こうにはいつもと同じニコニコ顔のあいつがいるのだろう。

私はゆっくりと、ドアを開けた。



やっぱり……


「愛、おっは!!」


そこには無邪気に笑うユウが立っていた。

相変わらず、体型は細長いし、甘い甘い声。



「あのさぁ、何回何回も鳴らさな いでくれる?
 家中ピンポンピンポンうるさい んだから。」

呆れながらに言う私の言葉も無視して、ユウは“早く行こうよぉ”と、赤ちゃんのようにぐずっている。






あれから一週間があっという間に経った。

一週間くらいじゃ、お互い大して変わるところはなくて、ユウは子供みたいによく笑うし、私も相変わらず、おじさんたちに会っていた。







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