Sleeping dream
それから二人は無我夢中で服を買った。

私もおじさんたちからの貢がれたお金を消化するように使った。

使い道がないと、お金ばかり貯まる。

かといって、汚い金を家に置いておくのも、嫌だ。

罪悪感しか残らない。


ほんの数時間で私たちの両手は大量のカラフルなショップ袋で塞がれていった。
それと対照的に財布の中にいたたくさんの福沢諭吉はさようならを言って、次々と去っていく。


欲しいと思ったものは躊躇う事なく、手に入れた。


「あぁー、疲れたぁー!
 ちょっと、休憩しようよ。」


私より二、三歩後ろにいるユウが力なく叫んでいる。

私は“じゃあ、どこに行くの?”と後ろを振り返った。


すると、ユウはまたニコニコし始めて、私に向かって、言った。

「いちごのショートケーキ食べれ るとこ!」




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