Sleeping dream
付け加えるように言った彼の言葉はあまりにも大きすぎた。


私はびっくりして、彼の方を向いた。

たぶん今、私は豆鉄砲を喰らったような顔しているだろう。


「何で知ってるの?
 私の誕生日。」


彼は“インスピレーション”と笑いながら、店の中へと入っていった。


――私、言ってないよ

――何で知ってるの?


頭の中でこの二つがぐるぐる回っている。

あぁー、やだやだ。


「愛ー、早く。」


彼の言葉に誘われるように黙って店の中へ私も入った。


店内も少しずつクリスマスムードになりかけている。

ちらほらと“ペア○○○”の名を持つ物が売られている。


こんなもの私にはただのおもちゃにしか見えない。

その辺のカップルはおもちゃで愛を確かめ合ってるというのか。



馬鹿馬鹿しい。


飼い主と犬をつなぐリードみたいだ。

私はそんなくだらない事には興味はない。


でも……





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