Sleeping dream
「…い、愛、愛!!」

“えっ!?”とうずくまっていた体を一気に起こした。


「どうしたんだ!?ぼーっとして。」


「ごめんなさぁーい。ちょっと、 ぼーっとしちゃった!でも、大 丈夫です!
 それより、どうしたんですか?」


得意の甘ったるい声で返事をした。


男は少し笑いながら、私の方を向いた。


「そうか…。
 愛はいくつだったかなって、思 ってね。」


“二十一よ”と可愛いらしく言ってみせた。



……嘘



本当は十六……

まだ高二……





“若いなぁ”と男は笑う。


本当はあんた、女子高生を抱いてんのよ、と言ってやりたかった。


別に顔立ちが大人びている訳でもない。どちらかと言うと、童顔だ。


魔法をかけるわけでもなく、化粧と洋服でごまかしているだけ。



これが以外とバレない。
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