Sleeping dream
【秘密の扉】
「何か腹減ったなぁ。」


緩やかな空気を断ち切るように話した。


「さっき、ショートケーキ二個食 べてたじゃない。」


「男はすぐに消化されるの。
 愛、何か作ってよ。」


私は拒むように頭の上の手をポンッと弾いた。

隣でぐずっているユウを無視して、私はブレスレットを見た。

ブレスレットは私たち二人をほほえましく見ているような気がした。

ブレスレットを小さく揺れるのも、私たちを笑っているようだ。





――ガチャッガチャッ


ドアの鍵を開ける音がした。

私は驚いて、後ろを振り向いた。

次の瞬間、ドアが開いた。


「お兄ちゃーん、お兄ちゃーん!
 いないのー?
 お兄ちゃーん!!」


女の子の高い声がした。

ユウを見ると、ゆっくりと立ち上がっているところだった。


「美央、インターホンぐらい鳴ら せよ。」


――美央って?

――お兄ちゃん?

私は今、何が起きているのか、わからない。





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