Sleeping dream
「じゃあね、バイバーイ!!」


――バーンッ



あの子は素から明るくて、可愛い子なんだろうね。

私も美央ちゃんみたいに純粋な女の子になりたいよ。


「あんたにあんな可愛い妹がいた とはね。
 変な方向に導いちゃダメだよ。」


私の言葉に対して、無反応だった代わりにユウはくるりと後ろを向き、リビングへ戻った。

吸い込まれるように私も付いていく。

何かしら構ってくれる彼が何にも返事がないのは寂しい。


「オレと美央、血繋がってないん だよね。」


振り向いたユウの顔はいつもより硬い笑顔。

何を言えばいいかわからなくて、ただその寂しい表情を消してあげたかった。



貴方がそんな顔をしてるのは、

すごく辛いよ









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