Sleeping dream
男がシャワーを浴び、部屋に戻って来た。


「そろそろ帰るよ。」

男はブランド物の財布から一万円札を三枚取り出し、私に握らせた。


私に握られて、福沢諭吉の顔はくしゃくしゃ。



別にお金が欲しくて、こんな事やってる訳じゃない。

ただ、傷だらけの私の心にバンソコウを貼ってるだけ。

どうせ、かさぶたになる前に剥がれちゃうのに。

そしたら、またバンソコウを貼り直す。

今度は剥がれませんようにって、願いながら。

その繰り返し……



いつになったら、終わるんだろう?







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