Sleeping dream
「じゃあ、自己紹介しよっか!!」


薄暗いカラオケボックスの一室。

中には若い十人の男女。


レナにされるがままに露出度の多い服を着たものの、


どうしてここにいるんだろう。



ため息しか出ない。


レナはキャピキャピしながら、自己紹介をしている。

他の子たちもこればかりかと、女の子を押し出している。


あんたには似合わないよ、と言いたくなるような巻き髪も、

いくつもの甘ったるい香水も、

頭に響く甲高い声も、

私を苛立たせる。



全く、女は恐ろしい。

男が現れると、途端に態度を変える。

男も男でバカ女にすぐに引っ掛かる。

どっちもどっちだ。



ウーロン茶を飲んでいると、レナが突いてきた。

彼女は口パクで“愛の番”と言っている。


「香坂 愛です。」


とりあえず、笑顔で対応しておいた。


すでに雰囲気は盛り上がっていて、

みんなターゲットに向かって、ロックオンという感じだ。



三十分もすれば、ご覧の通り。


レナはショウとかいう男といい雰囲気になっている。

よっぽど、気に入ったのか、レナはショウの首に腕を絡めている。




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