Sleeping dream
――チンッ


ドアが開いた。


エレベーターに乗ると、

何かが弾けたかのように、
壁に私を押し付けると、

狂ったような激しいキスをした。



お互い、感情なんて抱いていない。


向こうは自分の欲望を吐き出すための体が欲しいから、今、私をこうして扱っている。


私の欲しい物は見つからないとわかっていながら、

やっぱり、何かに縋り付いてしまう。


溺れていくように……


沈んでいくように……





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