Sleeping dream
「お前が大好きなフォンデュなのに。
 でも、オレらとクリスマス過ご すのはレナには足りねぇよなぁ。」


ナオトはわざとらしい態度で、右眉を少し上げた。


「そんなことないよぉー!!
 美男子に囲まれてのフォンデュ は最高だよ!?
 絶対、行くぅー!!」



気早っ……



「じゃ、決定な。
 愛も来るだろ?」


ケンは私の肩をポンッと押した。


「イブだっけ?
 えーっとねぇ……」


あの人は二十二日からお父さんの単身赴任先のニューヨークに行き、クリスマスに合わせて戻ってくるらしい。


一緒に行かないか?と言われたけど、いろいろと理由を引っ付けて、断った。


私は“パパを迎えに三千里”なんてするような素直な娘じゃない。


「いいよ。」


私の返事を聞くと、今まで黙っていたユウトが口を開いた。


「そんじゃ、イブはみんなでクリ スマスパーティーな。」


きっと、誰も気付いていなかっただろう。


私が手首に着けたブレスレットをセーターの上から必死で押さえてたこと。





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