約束
ガラッ


「ふぅー間に合った。」

私は席に着いた。

そしたら、隣の席の桜木が私に話しかけてきた。


「おぅ!道田!今日もぎりぎりかよ。たまには早く来たらどうだ?」

このむかつく野郎は、桜木 翔太(さくらぎ しょうた)。

こんな性格だけど、芸能人顔負けのルックスで、運動能力抜群。学年の女子のほとんどは、桜木に恋してるとか。


私はよくわからないけれど。


そんなにかっこいいか?コイツ。



「うるさいなー!。目覚ましセットしてるのに鳴らないんだもん!あれ不良品なのかな?」


そうなんだ。毎日セットしてるのに鳴らないんだ、これが。



「どうせお前が寝ぼけて止めてるんだろ?不良品なのはお前の寝起きの悪さだ!」

ニヤニヤしながら言う桜木に、1発殴りたい気持ちだったが我慢した。



「はいはい。わかったからちょっと黙りましょうねー。」

これで静かになると思った私だったけど、桜木は黙らなかった。



「やなこった!。それより道田、お前のことだから宿題完璧にやってるんだろ?。見せて!」

そうだった。桜木は毎日私の宿題を見せろとせがんでくるんだった。

他の女子だったらすぐに見せるみたいだけど、私は1度も見せたことがない。



これが私のちょっとした自慢。



「絶対に嫌だ!。自分でやりましょうねー。」

そう言うと桜木は、


「俺が宿題できると思ってんのか!。出来るわけねーだろ!。だから見せて?ね?」


まさかの逆切れ!?。っていうかそんなウルウルした目で見るなー!!。


「嫌だ!あんたに見せるんだったら死んだ方がまし!」


首をぶんぶん振る私に、桜木は怒ったように言った。

「おまっ・・・!死んだ方がましとはどういうことだーー!」

「死んだ方がましだから言ってんの!」

私たちがギャアギャア言ってると先生が入ってきた。




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