約束
「とっとにかく! 私はあんな奴・・・何とも思ってないから!」
そう言って納得してないような顔の女子たちから逃げた。
はぁー。
桜木が私のこと好き?・・・そんなのありえないよ・・・。
朝だってあんなに私のことからかってたし・・・。
!。そういえば、風の噂で桜木『好きな人いる』って言ってたの聞いたことあるけど・・・。
なんかその人のことずっと好きらしい・・・
も、もしかして、その人が私!?
いやいや・・・。ありえない・・・。
桜木の好きになる人だもん。
すっごく可愛くて、優しくて、上品で、スタイル良くて・・・。
そんな完璧な人なんだろうなぁ・・・。
・・・私にとって真逆のひとなんだろうな・・・。
絶対かなわないよ・・・。
・・・!???。
あれ・・・何考えちゃってんの!私!!。
桜木のことばっかり考えてる・・・。
もう・・・!。あの女子達がへんなこと言うから・・・。
まるで私が桜木のこと好きみたいじゃん・・・。
『桜木くんの好きな人は香って噂なの』
『桜木の好きな人は香って噂・・』
『桜木の好きな人は香』
どわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
何考えてんだーーーーー!!!!!
首をブンブン振りながら廊下を歩いていると、向こうから見覚えのある人が近づいてきた。