約束
「・・・・は?」
目をキョトンとさせている桜木。
「だ・・・だからっ!桜木に・・・好きな人いるのかなって・・・。」
たぶん私すごく顔赤いと思う。
「ば、バカやろ!俺に好きな人なんかいるわけねーだろ!!」
え・・・。
なんだか私は、ちょっと悲しかった。
「そ、そうなんだ・・・。」
「お、おう・・・。」
長い沈黙・・・。
「あ、サ、サッカー行かなくていいの?まずいんじゃない?」
「あ・・・・そ、そうだな!」
「そ、それじゃ!サッカー頑張れ!」
「お、おう。」
私は走り出した。
心のどこかで期待していた。
桜木が私のことを好きなんてありえないのに。
・・・バッカみたい。
「お、おい道田!!!!」
桜木の声が聞こえた。
でも私は聞こえないふりをして止まらなかった。
「お前はどうなんだよ!!」
え・・・
私の体は勝手に立ち止まっていた。