僕らの日々
「誰にでも……
優しすぎだよ……」
弱々しく君は言った。
今にも泣き出しそうな
か細い声で……。
一瞬 焦った。
いつも強気で
毎日のように“嫌い”と言って
俺を傷つける美音が
泣きそうで
俺を愛しい目で
見てくるのだから。
「え?」
俺は
この状況を理解できず
美音を見つめた。
「誰にでも優しいのは嫌い!
好きな人にだけ優しいのが良い」
なんて
可愛いことを言う。
“好きな人にだけ”って
“美音だけ”って意味だよな。
俺は一人で解釈して
後ろから美音に抱きついた。
美音は驚いた様子。
「好きな人にだけ、
優しければ良いの…?」
なら、俺は優しくするよ?
だって君が好きだから
たくさんの愛を
君に捧ぐよ。
でも…
俺は やっぱり
君に嫌われていたんだ。