輝跡
第一章~夏空の下で。
グランドから見える空を、昨日よりも近く 眩しく感じる。
息を吸い込むと 夏の香りがした。

いつもと変わらない風景。だけど、夏はもう始まろうとしている。

あたし、三村莉紗は今日も額の汗を拭いながら クーラーボックスに作りたてのポカリを移していた。
こうして稲葉第二高校硬式野球部のマネージャーとして夏を迎えるのも 今年が最後。
来年の夏、あたしはもうここにいない。
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