Sleep
ホテル前
「愛実ちゃん」
今は三限の休み時間。
私の本名は鳴瀬愛実。
亜依は源氏名。
仕事限定の名前ってこと。
机の前に来た小柄でツインテールの女は古金夕陽。
退学か何かになり、この学校に転校して来た。
2ヶ月前にこの学校に転校してきて、友達が誰もいなかった私の所によく来てくれている。
ふわふわした焦茶色のロングヘアーをなびかせ、今日も私のところにやってきた。
「夕陽、お腹すいちゃった。学校終わったら何か食べに行こうよ」
「今日、金持ってきてない」
三秒で拒否する。
ただ何となく、どこにも行きたくないだけ。
お腹はすいているけど、どこにも行く気がしなかった。
遊びに行くのも気分。
ご飯を食べるのも気分。
寝るのも気分。
でも、何か今日はえーっとふてくされる夕陽をみると、何故か悪いような気がした。
「じゃあ、私の家に来る?」
夕陽は玩具を買ってもらった子どものように喜ぶ。
「愛実ちゃんの家?行きたい~!!」
「じゃあ授業終わったらね。」
そして4限のチャイムが鳴った。