─チビとわたしが歩く道─
「チビーッ!!」
「ワンッ!」
次の日の朝。
約束どおり、わたしは早起きしてチビの小屋へ向かった。
人懐っこいチビは嬉しいとき以外、めったに吠えない。
なのに、わたしが小屋へいくと必ず。
『ワンッ!』
って一回だけ吠えてくれる。
「そっか。早苗が来て嬉しい?」
右に左に大きくしっぽを振るチビ。
「よーし、よーしっ。ママ!早く行こっ!」
あたしもチビの頭をなでる。
「んふふ、それじゃあ今日は近くの公園までお散歩しようかしら。」
「チビッ、公園だって!いっぱい走れるね!」
5歳のわたしにはまるで、チビの言葉が分かるような気がした。
『嬉しいよ。』
‥‥‥‥って。