【COLORS②】怪盗バレン─聖夜に贈るメッセージ─
「はい、お兄ちゃん」

千夜は人のいないことを確認すると俺をバックから出した。

「やっと外に出れたぜ」

「どうする?私はそろそろ戻るけど」

彼女はバックを閉じた。

「俺は船内を散策してるよ。姿もあと十分弱で戻るみたいだしな」

「……何かあったら連絡して」

「ああ」

まだ確実なものではなかったため、千夜にはあのことは言わなかった。



「さてと、どこから調べたらいいものか……」

手掛かりはない、あてなど当然あるハズもない。

とりあえずは──

その時だった。
俺はラッキーなことに扉が開いている部屋を見つけた。
< 10 / 24 >

この作品をシェア

pagetop