【COLORS②】怪盗バレン─聖夜に贈るメッセージ─
「ケーキ買いに行ったのは俺だっつ──の」

目の前にあるショートケーキにフォークを入れながら、ぶつぶつ文句を言いたくもなる。

「な〜んか、言った?」

「別に。そ─いや、今日はクリスマスイブなんだよなぁ。お前予定とかないわけ?」

「……」

ちょっと今、殺気を感じたような……

「まぁ、予定がないからここにいるんだよなぁ〜アハハ、そんな気にすんなって!さっ、仕事、仕事!」

「……触れてはならぬことを……!!!普通、分かっててわざわざ聞く?だいたいお兄ちゃんだって人のこと言える立場なわけ?相変わらずデリカシーってもんがないんだから!!!!!そんなんじゃ、亜実さんに愛想尽かされるのも時間の問題ね」


どうしてそこで亜実の名前が出てくるんだよ。
別に俺たちはそんな関係じゃねぇし……



バァァァン!!!!!



「澪斗居る〜っ?」

事務所の入口が勢いよく開いたかと思ったら、

「あ……亜実っっ!!!」

噂をすればなんとやらとはよく言ったもんだな。
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