【COLORS②】怪盗バレン─聖夜に贈るメッセージ─
「お兄ちゃんのばかぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
案の定、俺はアミダでも運から見放されたのである。
「なんだよ、いきなり」
亜実が事務所を出て行ってからのことだった。
大きな声を上げる妹に俺自身も驚いた。
「どうして、いつもそうなの!!!」
「じゃんけんじゃなくてアミダにしたことか?」
「もう!!そんなことどっちだっていいの!!私が言いたいのは、どうして亜実さんに『一緒に行こう』って言わないのかってこと!!あんだけ私が行くのを遠慮してた意味が全然分かってない!!」
なんで俺が亜実と一緒に……
「亜実さんはねぇ!お兄ちゃんを誘いに来たんだよ!でも私が居たからこんなことになっちゃって……」
「そんなの、お前の勝手な想像だろ。本当にどっちでもよかったのかもしれないしさ。それに俺は負けたわけだしな。行く権利はお前にある!」
今日は特に仕事もないし、テレビでも見てるかな。
「……こんなのって……よ~し!!こうなったら意地でも私はお兄ちゃんを連れて行く!!」
「って言っても招待券は二枚しかないんだろ?」
思いっきりいや~な予感がするんですけど。
「フフフ……私にお任せあれ!!」