【COLORS②】怪盗バレン─聖夜に贈るメッセージ─
その答えは今から約二時間前に遡る。
「できたぁ!!!」
千夜は嬉しそうに大声をあげた。
「お前はまた変な発明品を……」
「『変な』は余計!!じゃぁぁ──ん!!『スモールライトⅡ(ツー)』これを使えばなんと!どんな大きいものもあっ!と言う間に小さくできるんだよ。実は前から途中までは作っていたんだけど、頑張って完成させたよ。『お兄ちゃんのために!!』」
「……はいはい。ありがとうございます」
しかも『スモールライトⅡ』って……某国民的アニメじゃあるまいし。ってかⅠはどこへ?
「あ──、全然信用してないっ!!!」
どーせいつものパターンで……
「効き目の時間も短いんだろ。三分とか五分とか」
「違うよ。今回は三十分!!!少しは進歩したでしょ」
「……少し……ね」
俺は今、すごぉぉ──くインチキな奴に騙されているんではなかろうか……?そんな気分にさえ陥ってくる。
「とりあえず船乗り場までは車で十分で着くし、乗り込むまでが勝負!入ってしまえばこっちのもんよ。あとは元の姿に戻っても問題ないでしょ」
「はぁぁ……そんなものなのか?もうお前のやり方に従うよ、異議な──し」
ここで揉めても仕方ねぇし、
それに……
気になることもあるんでな。
という訳で俺は小さくなり千夜のバックの中に納まることとなった。