唇を塞いで



自分の命の灯火が、

あと少しで消えることを…



その日、あたしはその男の子といた



「ねぇ、――くんて、どうしてこの病院にいつもいるの?」


「俺の父さんがこの病院の……」


「詩希!!母さんが……」


十和が顔を真っ赤にして叫んだ
お母さんが危ないんだ



「お母さん!!大丈夫?!詩希だよ!!お母さん頑張って!!」


ねぇお母さん
どうしていなくなっちゃったの


「詩希……笑って?お母さん、いつも側にいる」


ピーーーーーー…





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