唇を塞いで



何の感情もない

ただ、機会の音が鳴り響いた



お母さんはもういないんだ


皆が泣きじゃくるなか
あたしは現実を受け止められず、涙一つ見せなかった



「詩希ちゃん?大丈夫?俺……」


「君、もう詩希には近づかないでほしい。君とは違うんだ」


お父さんの怒った声



「絶対に助かるって言ったじゃないか!!こんなに可愛い子達を残して逝ってしまった……俺は貴方を許さない」



お父さんがこの病院の一番えらい人に言ったこと





< 160 / 239 >

この作品をシェア

pagetop