唇を塞いで
あたしを連れて…
「嘘だ…父さんが…」
「父さんは二人が付き合うのは絶対に許さない。京一くん、詩希には近づかないでくれ。
もう帰ってくれ」
「でもっ…それは昔のことで…俺はっ…」
「君にとっては!!昔の小さな出来事でも家にとっては……」
お父さんが泣き崩れた
あたし、気付いてなかった
お父さんがこんなに傷付いていたなんて
十和がこんなに苦しい思いをしていたなんて
あたし達ってこんなに、
脆いんだ
「君を見てるのは、何よりもつらい。帰ってくれ…帰ってくれ!!!」