唇を塞いで



「京っ!!待って……」


家を飛び出した京を追いかけた



「京!!」


「詩希……ごめん。俺、知らなかった。父さん、詩希に会った日からボーっとしてて…」



京があたしの足元で蹲る


「俺……こんなに…すげ…詩希のこと好きなのに…」


京が嗚咽をもらしながら辛そうに言った

胸が締め付けられる

ねぇどうしよう 京が泣いてる



「詩希、俺ずっと好きだから。」

そんなの分かってるよ
もういいよ


「分かってるよ」





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