唇を塞いで



あたしのダメな心が
京の優しい言葉を振り払う



その日からあたし達は毎日一緒に家に帰った

一緒にいる時間だけは増えて
心の距離は縮まらない



「京一、今日こそ遊ぶだろ?」


今までもう何度もあたしのために断ってる


「あー…今日も無理」


「お前さ、いくら彼女大事だからって彼女に縛られすぎ」


その何気ない一言が
あたしの胸の傷をえぐる


「そ、そうだよ!!京、あたしはいいから行ってきて!楽しんで」


あたしが縛ってるせいで京がつらい思いをするなら





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