唇を塞いで
「あたし別れたの」
「二人で決めたことならいいんじゃない?だけど京一は……なんでもない」
佐伯くんは何を言おうとしたんだろう
あたしが京と別れたのは間違いじゃなかったよね…
今更になって、後悔に似た感情を抱き始めた
「佐伯くん、あたし授業サボる」
それだけ言って、
資料室に向かう
「詩希っ」
「玲二」
「どこ?」
「資料室。サボるんだ」
あたしのあとをついてくる玲二
あぁやっぱりだ。
やっぱりあたしは
この人を好きじゃないんだ