唇を塞いで



「別れたのかよ」

「言いたくなかったけど、仕方ない。京一を忘れられないって」


「ごめん、山内。」


俺は詩希の教室へ走った


教室から詩希の声が聞こえた


「もう無理だよ。山内さんと付き合ってるんだし、あたしのこと、必要じゃないもん」


必要だよ
お前がいないとつらいんだよ


「あたし達、このまま別れてたほうがいいんだよね」


それを聞いて、俺は教室から逃げるように家に帰った


詩希の母親のことは父さんには言わなかった





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