唇を塞いで
「決まってることなんだ」
「だって、あたしには友達もいるし…それに…京もいる…」
「それでも、だ」
何よ、それ
嫌だ。 絶対に帰りたくない
だけど、あたしは分かっていた
その日がもう少しでやってくること
変えられない事実があたしを襲うこと
あたしの愛する人は
みんな消えていくの
なんで、上手くいかないんだろう
あたしは何もかも捨てなければならないの
「京に…会いたい」
愛する人に会いたい
あたしの頭の中はそれだけだった