唇を塞いで



もしかしたら、
こうやってキスをするのもあと少しなのかもしれない


抱き合うのもあと少し。
京の顔、声、手…
全てが愛おしい。


でも、全てあたしから消えゆくんだ。


そう思ったら涙が溢れてきた


「京、あたし……」


「好きだ」


そう言ってどちらともなくキスをして体を重ねた


「…んっ…京…」


名前を呼んでいないと
京が消えてしまいそうで怖い


何度も涙を流した
とても、切ない


「あっ…んぁ…」


あたし達の切なる願いは
「永遠」





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