唇を塞いで
お父さんの顔が
見る見るうちに青ざめていく
「お前…何か、病院で?」
「うん……あたし……妊娠した」
「え………」
時間が止まったような気がした
お父さんの息遣いがよく聞こえた
「詩希…それは…本当なのか……」
「本当だよ。さっき病院に行ってきたの。」
「京一君との子供か……?」
あたしは無言で頷いた
お父さんは怒っている
「別れなさい」
「嫌」
「あんなヤツ、お前を傷つけるだけだ」
お父さんは肩を震わせながら言った